CASE 導入事例
簡易遮蔽計算ソフトウェア「FLEXDOSE®」
線量測定値からの未知の線源放射能量の推定
および遮へい体設計に関するバックチェック
導入先
国内に原子力発電設備を有する企業
点減衰核法によるγ線の放射線線量・遮蔽計算を、3次元グラフィックを組み合わせたユーザーフレンドリーなGUI環境上で実行できるソフトウェアです。(QAD相当)
導入目的
- 万が一の過酷事故が発生した場合、放射性物質が蔓延し得る空間を監視する為の暗所撮影用カメラを設置することとなりましたが、最悪ケースでは放射線量が非常に高くなり、カメラの耐放射線性能では不十分である可能性が指摘されました。そこで、カメラに遮蔽体を設置するにあたり、FLEXDOSE®を用いて、遮蔽体としての最適の厚さと形状を導き出すこととしました。
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高放射線環境下にある部屋の床や壁、天井には、大量の放射性物質がこびり付いていることが想定されていました、接近困難であるため正確な放射能量やその分布は不明でした。しかし、同ルーム内での作業にあたって遮蔽体を設置することになりましたが、保守的な設計の結果、非常に厚くて重い構造体となり、取り扱いが困難となってしまうことが予測されました。
そこで、FLEXDOSE®にて放射能の分布状況を推定し、遮蔽体を設置した場合のその効果を推定し、遮蔽厚さの減量が可能かの検討を実施しました。
導入後の効果
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遮蔽体としての最適な厚さおよび形状を決定できました
カメラ方向や遮蔽厚さ、形状についての十分な数のケーススタディが実施できたため、遮蔽体としての最適な厚さおよび形状を決定できました。その結果、遮蔽体はそこまで重くしなくて済み、カメラ据付部の設計等についての大幅な設計変更を回避することが出来ました。
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遮蔽体厚さについてもう少し薄くできる余地があることが示されました
より精緻な放射能量の推定(測定値比で±20%程度の精度)の結果、遮蔽体を置いた場合の線量率を予測したところ、遮蔽体厚さについてはもう少し薄くできる余地があることが示され、遮蔽体厚さを最適にするためのさらなる精緻な放射線測定ならびに遮蔽設計の再検討が必要であることが判明しました。
本事例で導入されている商品・サービス
簡易遮蔽計算ソフトウェア「FLEXDOSE®」
評価体系の見える化、線量評価・遮蔽設計作業の効率化
点減衰核法によるγ線の放射線線量・遮蔽計算を、3次元グラフィックを組み合わせたユーザーフレンドリーなGUI環境上で実行できるソフトウェア(QAD相当)