SERVICE 信号解析によるデータ解析・評価技術
信号解析によるデータ解析・評価技術
プラント設備に設置されている各種センサーから得られる信号データを精緻に解析することにより、プラント機器の健全性確認や機器の劣化・故障の兆候検知、異常発生時の原因究明を行います。
サービス概要
プラント設備の各種センサー信号データに対し、周波数解析や相関解析、自己回帰モデル解析等の各種信号解析技術を適用することにより、プラント設備の健全性評価(健康診断)を行ったり、通常の監視では難しい異常の兆候検知や原因究明を行う業務です。
サービスの特長
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センサー信号に含まれる微小変動成分(通常はノイズとして扱われるような成分)を、精緻に解析することにより、異常のわずかな兆候を検知したり、原因不明の不具合事象の原因究明や故障個所の特定が可能です。
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既設センサーから得られる信号データを利用する為、新たにセンサー等の機器を設備に設置する必要はありません。
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プラント運転中の定常状態時に収録した信号データに適用可能なため、プラントに外乱等与える必要はありません。
利用シーン
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プラント起動前における局所領域中性子速検出器(LPRM:Local Power Range Monitor)の信号ケーブルコネクタの誤接続の検知
沸騰水型原子力発電所(BWR)には数百台のLPRMが設置されており、運転中に炉内の中性子速分布を測定し、原子炉出力の制御や燃料の健全性評価等に使用されています。検出器のコネクタ部は毎定検時に一度外され再接続するという作業が必要となっていますが、国内のBWRにおいてもコネクタ接続部の誤接続が散見されています。そこで、LPRM信号に対して信号解析技術を適用することにより、プラント起動前の段階で誤接続検知が可能となり、プラント起動前に適切な接続に正す等の対処が可能となります。
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プラント運転中の再循環流量制御系ポンプ(PLRポンプ)のメカニカルシールの劣化兆候の検知
BWRには、2台のPLRポンプがあり、それぞれのポンプには、二段階のメカニカルシールが設置されています。メカニカルシールが劣化すると、高圧水が徐々に漏洩してしまう為、場合によってはプラントの計画外停止が必要となります。そこで、メカニカルシール第一段および第二段軸封部圧力信号に対して信号解析技術を適用することにより、メカニカルシール部の劣化兆候を非常に早期の段階で検知することが可能となり、プラント停止時期までの尤度評価や、夏季等の需要ひっ迫時の計画外停止を避けることが可能となります。
このようなお悩みをお持ちの方におすすめです
- プラント起動前に機器・計器に異常の兆候がないか確認したい
- プラント運転中に不調が確認された機器の状態を、プラント停止まで監視したい
- プラント停止前に予め修理や交換の準備が必要な機器、計器を特定しておきたい
- プラント機器の故障の原因や故障個所を究明したい
導入効果
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プラント運転中の状態監視による安全性、経済性の向上
従来、プラント運転中には点検や状態監視が困難であった機器、計器等についても、プラント運転中に機器劣化や故障の早期検知が出来る為、プラント運転中の突然の故障を防止したり、定期点検前に修理・交換等の準備が行うことで、点検期間の短縮が可能となります。結果として、プラント稼働率向上による経済性向上に寄与いたします。
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異常発生時の原因究明の迅速化
原因がなかなかわからないような複雑な故障や不具合についても、プラント機器を分解点検等することなしに、比較的容易にその原因究明が可能です。
よくあるご質問
ありません。
既に過渡現象記録装置が設置されている場合は、同装置で収録されるデータを利用可能です。設置されていない場合は、こちらで可搬型のデータ収録装置を持ち込み、データを収録させていただきます。
必要ありません。
通常のプラント運転中に収録されるデータを用いた診断が可能です。
プラント機器、計器の配置や接続状況がわかる図面の提供が必要です。
また、既設データロガーによるデータ収録や、可搬型データ収録装置を接続する場合の、現場へ立入り、作業許可等の手続をお願いいたします。
サービスの内容
サービス内容:プラントデータの収録作業ならびに信号解析技術適用によるプラント機器の診断
標準工期:データ収録作業含めて6か月
価格帯:数百万円~数千万円(データ収録作業の要否、信号点数により変動)