CASE 導入事例
突発的な事象発生時に
正確な事故影響の評価が出来ました
プラントのセンサーで測定されているプロセス信号(例:水位、圧力、温度、回転数等)を常時高速サンプリング(1ms/10ms)でバッファリングすることにより、過渡事象(事故、故障等)検知時に信号データを自動で記録・保管するための装置です。(航空機におけるフライトレコーダのようなもの)
導入目的
- 地震や津波等の自然災害や事故・故障等、いつ起こるかもしれない事象を常時監視し、異常の早期検知ならびに事象発生後の原因究明やプラント状態の確認のため
- プラントの通常運転状態時に定期的にプラントデータを収録しておくことにより、プラント機器の健全性評価ならびに劣化兆候の早期検知等の状態監視のため
導入後の効果
-
突発的な事象発生時に正確な事故影響の評価が可能でした
とある原子力発電所の事故の際、地震直後に「主蒸気漏洩」警報が発報し、その原因として、地震の影響による主蒸気系統の配管破損が疑われました。TREDISS®に保存されていた関連信号データを解析した結果、警報直前に当該計測系の電源が落ちたことが主要因であることを確認できました。また、津波襲来前にディーゼル発電機が故障していた疑いを持たれていたケースでは、発電機電圧や電流信号データを解析した結果、津波襲来直前までディーゼル発電機が正常に稼働していたことを確認できました。このように、突発的な事象発生時にプラントデータを自動で記録・保管されていたことにより、正確な事故影響の評価が可能でした。
-
正常時にも定期的にプラントデータを記録することで原因究明に役立ちました
あるプラントで圧力制御系をリプレースした後の再稼働直後に、当該系統のある弁が故障し、プラントを停止することになりました。当初、原因不明とされていましたが、過渡現象記録装置に保存されていた過去データと故障発生時のデータを周波数解析にて比較した結果、圧力信号フィルタリング設定に不備があり、当該弁が過度に稼働し摩耗してしまったことが原因であると推定され、早急に対処することができました。
このように、正常時にも定期的にプラントデータを記録し、異常発生時(あるいは兆候段階でも)に正常時との差異を確認することにより、原因究明や異常の兆候検知が可能となります。